デザイン発注で成功するためのオリエンテーションの秘訣

はじめに

本記事は、

  1. 企画担当者やマーケターの方
  2. 新規事業や新規商材を検討されている方

を想定読者にしております。

今回はデザイン会社にパッケージのデザインの依頼をする際にのコツをお伝えします。

これまでデザイン会社に仕事を依頼した時に、

「時間を掛けて説明したはずなのに、イメージ通りのデザインになってない」

と困った経験はありませんか?

  • 意思疎通がうまくいかず、スケジュールが押してしまった
  • 修正のやり取りが増えてコストがかかってしまった

といったことにならないためにも、オリエンテーションで伝えるべきことの要点を抑えましょう。

優れたデザインとは?市場で評価されるデザインの条件

そもそも良いデザインの定義は何でしょうか?それは、市場で高い評価を受けるデザインです。

このようなデザインには以下の3つの条件が揃っている必要があります。

  1. 商品のベネフィットが明確に表現されている
  2. ユニークさがある
  3. ターゲット層に訴求力がある

オリエンテーションの際に、これらの条件が明示されなければ、見た目が美しいデザインは作成できるかもしれませんが、市場で評価されるデザインは生まれません。

条件を満たしていない見栄えの良いデザインは、次のような問題が生じることがあります。

  • ターゲット層にアピールできない
  • 期待外れと感じられる

大規模なリニューアルを実施しても、これらの問題が解決されず、失敗に終わることが珍しくありません。

そのため、デザイナーには、これらの条件が理解できるように、きちんとしたオリエンテーションを行いましょう。これによって、市場で高い評価を受けるデザインが生まれる確率が上がります。
 

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オリエンテーションで押さえるべき6つのポイント

オリエンテーションでは、効果的なデザインを実現するために以下の6つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 商品の背景やこだわりを伝える
    • 商品の特徴や開発者の思いを共有することで、デザイナーが多角的なアイデアを生み出す手助けになります。
  2. ネーミングを絞り込む
    • デザインアイデアはネーミングから展開されるため、複数のネーミングがあるとアイデアが散漫になります。ネーミングを1つに絞り込むことが重要です。
  3. 情報の優先順位を決める
    • 限られたパッケージスペースで伝えられる情報は多くありません。最も重要な情報を明確にし、優先順位を決定しましょう。
  4. 具体的なイメージを伝える
    • ラフスケッチや参考画像を提示し、デザイナーに具体的なイメージを伝えましょう。これにより、より高品質なデザインが実現できます。
  5. 具体的なイメージがなければ無理に伝えない
    • 依頼時に具体的なイメージがない場合、無理に伝えるのではなく、デザイナーと相談しアイデアを共有しましょう。これにより、ミスコミュニケーションを防げます。
  6. 商品のマイナス部分も正確に伝える
    • 商品の欠点もデザイナーに伝え、パッケージデザインでプラスに転換できる方法を探しましょう。消費者に対して正直であることが最も重要です。

これらのポイントを押さえることで、デザイナーとのコミュニケーションが円滑になり、市場で評価されるデザインが生まれる可能性が高まります。
 

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修正指示の際に押さえるべきポイント

デザイナーからの初回提案を受けた後、修正指示が必要な場合があります。その際に重要なポイントは以下の2つです。

  1. ベースにしたいデザインとその選択理由を伝える
  2. 修正するポイントとその背景を伝える

修正指示を出す際には、「現状では何が伝わっていないのか?」や「何をより伝えていきたいのか?」を明確にデザイナーに伝え、具体的な解決策はデザイナーに考えさせることが重要です。

例: 辛さが特徴の商品のケース

  • 修正指示: 「商品名を赤に変更して欲しい」(不適切)
  • 修正指示: 「辛さをより伝えたいので、商品名を赤に変更して欲しい」(適切)

このように、指示の理由を明確に伝えることで、デザイナーはクライアントの意図を理解しやすくなり、目標に沿った多様な提案が得られる可能性が高まります。

修正指示の際には、意図や背景を明確に伝え、デザイナーとのコミュニケーションを円滑に進めることが、効果的なデザインを実現するための鍵となります。

まとめ

  1. 良いデザインとは市場で評価されるデザインである。
    商品のベネフィットやユニークさをデザイナーに伝えましょう。
  2. 商品のこだわりポイントなど6つのポイントを抑えてオリエンしましょう。
  3. 修正指示は、ベースにしたいデザインとその選択理由、修正点とその背景を共有しましょう。

デザイン発注で一番大切なのは、

最初のオリエンテーションでどれだけ情報を共有できるか

です。

最近では、対面ではなくメールやオンラインでのデザイン発注も増えてきているため以前よりも完成度の高いオリエンシートを作ることが重要になってきます。